スマートで無駄がなくなるってのは、つまらない

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つまらないことが悪いわけではなく、すごく生活を豊かにするものだとは思います。

先日、ローリングストーン誌を読んでいたところ、90年代に綿密にマーケティングしてターゲットの狙いを定め、日本の音楽をハックしていった小室哲哉氏の記事を読んで、ハッとさせられました。そしてツィートしてら、リツィートまでいただき🙏

文脈としては、テクノロジーって意味を考えるよりも、面白いからやる方がどんどん進化していく。なので、エンタテイメントとすごく相性がいい。やる方も刺激が欲しいし、見る方も刺激を体感できる。一方で、スマートって無駄がなくなることですけど、なんだか、そういった刺激よりも無駄なく益になるかが追求され過ぎて、つまらない。というわけですね。

私、個人的にもスマートって言葉があまりしっくりこなくて。弊社のアプリでも、人に説明してわかることを意識して、スマート・メッセンジャーという言葉も使いましたが。。やはり違う。何か突き抜けた感じがせず。

そこで思い起こさせるのはApple。Appleはスマートって言葉を使わない。スマートを超えたものを作ろうとしているからだと思います。iPhoneのことはスマートフォンとは呼ばないですし、Apple Watchをスマートウォッチとは言わない。スマートって何かをまとめているようで、実はすごい対象を曖昧にしてしまう言葉です。(一方でAppleの最近はロックな感じが薄れて、スマートに寄りすぎている印象もありますが。。)

テクノロジーによる刺激とは

最近だと、超光速レーザー光線演出、ちょっと前だと大画面ディスプレーなんかは、うわーっと驚きますね。誰でも簡単にモノが作れる時代だから、作れる技術がある人はどんどんすごいものを作れてしまうわけです。

スマートはその真逆で、いかに人がテクノロジーを感じないか、意識せず使うことができるか、というのが重要にやってきます。勝手に空調が調整される、お風呂が沸く、車が自動で動く。など。なんとなく不便に感じていたのが、少しずつ改善される。それは、すごく重要なことなのですが、鳥肌立つ感じではないんですよね。

スマートが悪いわけではないですが、やはり感動が生まれづらい。

人に愛されるには、課題解決を超えた魅力、そこには本質を掴み表現するデザイン力、テクノロジーを最大限活かす技術力、加えてカリスマ性を持ったブランド力が備わって、成り立つものかもしれません。

MAKERSムーブメントとIoTはベクトルが異なる

MAKERSムーブメントって、Makers Fair に行くとわかりますが、ハッカー精神満載ですね。IoTがどうこうというよりも、動くモノ、今まで作れなかったモノ、自分で作ってみたいモノをどんどん生み出していく。すごく破壊的で、創造的です。

一方で、IoTはもちろん重なる部分はあるわけですが、IoTで今語られてるのはよりスマートな社会。センサーがネットワークにつながる。つまり人の手足みたいなものがあちらこちらに生えて、どこかのクラウドコンピュータの頭脳に結合されることで、地球全体が一つのサイボーグみたいになって人を支えてくれます。ドイツのIndustory 4.0 という名前が象徴的ですが、生産、労働のあり方を大きく変える可能性があるわけです。職人的な色合いがしますし、伝統的な車産業とは相性がいいのだと思います。

同じモノというキーワードでつながる、MAKERSムーブメント、IoT。繋がっているようで、実は少し違う方向を向いています。

魅了する

私もネインを起業してもうすぐ1年経とうとしています。創業してから一貫して、やりぬこうと考えているのはコミュニケーションのギャップを埋めて滑らかにすること。

コンセプトを確実に実行していけば、大きな社会変革になると確信しています。コミュニケーションを滑らかにするというと、もろスマートな方向。一方で、突き抜け感が欲しい部分とジレンマがあるわけです。そのときにどちらかに集中する、というのは選択肢にありますが。私としては中庸、いわゆる矛盾、ジレンマの先のバランス感を狙っています。

元々調和系工学を学んでいたこともあるのだと思いますが、カオスの先のハーモニーという要素を常に探し求めています。アップルはそこが際立っていると思います。徹底的にデザインされていることが見えなくなるところまで削ぎ落とす。無駄を省いた後、取り除かれた要素を徹底的に磨き上げる。その先に個性というフックを入れる。そういったことは、音楽でもプロダクトでも愛される要素になると考えます。

徹底的に人に寄り添い、人が喜ぶソリューションを想像していなかった技術で生み出す。

ネインでは、コミュニケーションを滑らかにするために、人がコミュニケーションできない瞬間、人がコミュニケーションを意識していない瞬間、でもコミュニケーションができるようにしようとしています。どうデザインし、便利を超えた魅力を放つか。

帰るというメッセージを、運転しながらでも、送ることができる。
学校にいる、ということを自分が意識して発信しなくても、知りたい友だちには伝えられている。

そんなちょっとしたコミュニケーションの不便を片付けていますが、でもその先。

同時に時間、空間を感じさせる要素として絵文字や背景を入れることで、人をもっと近くに感じられるデザインをしようとしていますので、ぜひ毎日触っていただけたらと思います。

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投稿者: Kentaro Yamamoto

Founder of Nain Inc. 株式会社ネインの代表です。何かしナガラでも情報とツナガルことで、情報の流れを変え、時の流れを変えます。移動しながら、ニュース、天気、メッセージを聴き、返信できるスマートイヤフォン『APlay』を開発しています。