カルチャーをリードできる人間を生み出す学校
このWIREDの特集はすごいよかった。
カルチャーを作り出すための学べる学校。 こういう選択肢がある今のティーンはうらやましい。 学校も企業も。
http://iovine-young.usc.edu
ググると、2013年くらいに動き出してたんですね。 全然ノーマークで。多分この時知ってても、あまり真意がわからなかったと思ってます。
https://news.usc.edu/50816/jimmy-iovine-and-dr-dre-give-70-million-to-create-new-academy-at-usc/
起業前にメーカー入ったきっかけも、 カーライフとか、 クラブミューミックとか、 カルチャーを生み出す力と、 鋭い立ち上がりの速い音が好みで、 他の会社と違って気取ってなくてアーティストっぽい、と思っていて。自分の中では、日本の中で唯一、 大人のおもちゃを生み出す会社で、大人が金かけて遊んでくれるものを作れるとは最高だな、 と思ってました。
この土壌が作られていくと、さらにアメリカは世界をリードする流れを作っていける。
今のプロダクトが生み出される流れは、カルチャー作りというよりも、プロダクト作り。キック・スターターに象徴されるような、ある種ロング・テールなプロダクトをどんどん生み出す。ただコンビニ的な感覚があり。インスタントすぎて、カルチャーを醸成するに至らない。
クラブ・カルチャーのような感覚で、プロダクトができると面白いのかな。環境があり、クラブ・ミュージックという枠組みの中で、例えば4つ打ちというフォーマットの中で、いかに個性溢れて刺激的な音で人を惹きつけるか。100m走でいかに金メダルを取るかに近いかもしれない。実力者が、次々と最高の結果を生み出すような。プロダクトで言えば、iPhone信者にとってiPhone以上のものを作るような会社が、続々現れるような。
カルチャーを創造しているプロダクトは?
逆にコンビニ的感覚でなく、最近新しい時代を創っていると感じたプロダクトってなんだろう?と考えたら、エンタテイメント・ショーと自動運転。
エンタテイメント
2009年のBeyonceでも驚いたけど、巨大スクリーンが目の前に現れたときときは、すごいキタ感が強かった。特にJAY-ZのNY感がすごいよくて。そこから5年くらい、どんどんショーでのテクノロジーの進化が楽しみになった。配信でコンテンツが儲からなくなったから、ショーになったのか、ショーのテクノロジーが発達したからショーのビジネスが盛り上がったのか。相乗効果なんでしょうね。
最近だと、高速レーザー使うシーンが増えていて。巨大スクリーン、エレクトロ的な流れのコージャスブース、レーザーなど。最近は少しずつ見た目のテクロノジー的な驚きがスローダウンしている気がしていて。Tommrow Land はテクノロジーというより、ディズニー・ランド的な世界観だったり。見た目より、音の良さなどはテクノロジーで一皮むけている気がする。。ZEDDとか、音に関しては位相がバッチリな、巨大なホールでもブーミーなキックも粒が揃っている感じなので。
逆に言うとiPod とか、iPhone もそのくらいの興奮があった気がしますね。2010年以前。Apple でも、Mac含めて、他の商品にそこまでの興奮はなかったので。
より人との距離感が近いもので、触覚、聴覚、視覚などの感性に新しい刺激を与えるプロダクトなのかもしれない。
だったらVRやウェアラブルもそうじゃないかと思いますが、あまり興奮はないですね。なんとなく、VRを含めた今のウェアラブルって、確かに便利なんだけど。
もしかしたら昔のMP3プレーヤー的な感覚かもしれない。それを突き抜けて、ストレスをぶっ飛ばすようなものが必要になってきているのかもしれない。
今は超めんどくさいけど、体験値を上げるデバイスはVR。それをすごい簡単にして、より優れた臨場感溢れるデバイスを提供することはAppleにとってはすごいいいテーマかも。一方でそこには規模の集中が必要だと思うので、TVシリーズ作ります、ヘッドフォン作ります、自動運転やります、ってすごい面倒なテーマに分散した動きをしているので、ぶっ飛ぶくらいすごいもの作るんだったら、あの規模の会社でもそこまで余裕はないとは思うんですけどね。また、VRにするとApple Watchが描いている方向とも違うので。
自動運転
自動運転、というか、新しいモビリティーですね。移動は文化を醸成していくので、その中で自動運転いよって変わるものが大きなインパクトをもたらすのは明らか。
移動していたときにできなかったものが、どんどんできるようになる。そこで変わる生活というのが、より人間の余暇を増やすものだったり、クリエイティビティーを発揮させるものになると信じてます。
毎日、終電間際に足元に気をつけながらプラットフォームを歩き、混んでいる電車に乗り込む、そんな生活からはさっさとおさらばしたい。ただ、運転するのは面倒だし、時間の無駄。
最初は、交通費が2倍になっても、自動運転タクシーで通勤したい人はいっぱいでてきそう。実際にグリーン車や、新幹線で通勤している人がいるくらいなので。
余暇をどう生み出し充実にさせられるか、そこにつながるものが人の欲であり、文化につながっていくんだろうな。と感がています。
カルチャーになるプロダクトを作りたい
カルチャーを創造するのがゴールではなく、そのために会社を作ることもないですが。うちのチームの性格としては、人道的に役にたつ、とか、ビジネス効率が上がりますよ、ってことにモチベーションが上がるチームではない。バンドマン気質なので、新しい表現をしたいというベースがあり。だからこそ、こんなコンテンツ表現したいんだけど、やるのクソ面倒くさいな、って事をより楽しく快適にできるならプロダクトを作りたいと考えるのが性に合っている。そういった事が新しいカルチャー創造につながるといいなと。
ネインがApple Watch推しなのは、そのメッセージをアップルが発信していたので。奪われた時間を取り戻す。ってところに共感し。そこからの延長で先を見ているので、Siriが進化していて、新しいイヤフォンなど噂が出ていて、スクリーンからの解放にApple自ら進んでいると考えています。そういった意味で思い切ってカルチャーを作るジミー・アーヴァインは、ヘッドフォンのブランド以上に大事なんでしょうね。
一方でApple WatchはiPhoneに比べると、すごい間接的なアプローチなんですが、そこから。
今我々が作っているコミュニケーション・アシスタント、さらにその流れの次のアプローチを開発していますが、それは、好きなこと、夢中になることに時間を増やしたい、って人のために作っています。
メッセージ交わしている時間あったら、楽器触ったり、ゲームやったりしたいよね、家族だと子供と遊ぶ時間増やしたいよねっていう思いを持つ人に向いている。逆にチャットで暇つぶしたい、安心、安全、見守りたい。って人のためには作っていません。単純に好きなことに時間を使えるようにしたい。
インターネットもそうで、時間の制約を崩すところがイノベーション。そのイノベーションを手中に収めて新しい表現を生み出せるようになれば新しいカルチャーが生まれるんじゃないかと考えています。インターネット以前は、情報も距離に依存していて、今はそれがなくなった。AI、IoTが今後なくしていくのは、何かを見て、操作をする時間。マニュアル操作から解放される。
解放された世界観を体感、五感への刺激につながっていくデバイスが次のWOW。
その世界を描ききろうというのが、今のネインのチームが日々試行錯誤していきたい。